1. 初心者の心得
不動産投資の原点は、富裕層が資産防衛の為に行っていた活用方法が始まりです。
資産家にとって不動産を運用することは攻めと守りを両立した重要な投資手法だったのです。
従って資産の無い普通の素人がノウハウや資金を持たずに
一から収益物件を取得して不動産投資を始めるということは、
無謀且つ非常にリスクの高い投資であることを
十二分に理解しておく必要があります。
とはいえ周りにブレーンを形成し経験を積むことで
収益物件を儲けの柱とした富裕層となることも可能です。
実際に当社の顧客の中にも収益物件を多数保有することで成功された方もいらっしゃいます。
誰もが最初は初心者です。
しかし初心者が何かを始める時に最も重要なことは「基本」です。
ここでは私が資産家から学んだ手法や不動産投資成功者から得たノウハウを基に、
不動産投資というものの基本的な考え方や心構えについて説明せて頂きますので、
是非、不動産投資への道にお役立て下さい。
2. 収益物件とは
収益物件とは「収益を生んでくれる物件」のことで、
投資用不動産のことです。
では収益とはどのような収入なのか?また、物件にはどんな種類があるのか?等を
初心者向けにわかりやすく説明していきたいと思います。
まず最初に、1つの判断基準を必ず覚えてください。
それは、不動産物件を「投資用物件」と
「投資用ではない物件」かに分類することです。
とりあえず、投資用ではない物件を見分けることができれば、
今後の投資判断はスムーズに進んでいくと思います。
当社では投資用か否かの判断基準を以下のように決めています。
<投資用物件>
賃料収入や売却益を生んでくれる物件。
<投資用ではない物件>
自分が使用する為の実需用物件。
投資用ではない物件とは、自分が使いたい物件のことです。
ほとんどが自分が住むための家ですが、子供や親の家もそうです。
例えば、別荘やリゾート物件のように保有しているだけで満足する物件の場合も
当社ではそれを投資用物件に分類しません。
商売をしている人が自社の事務所や店舗として使う物件や
節税に役立つ物件も基本的に投資用ではありません。
3. 収益の種類
収益物件から生まれる収益には
「直接的収益」と「間接的収益」があります。
「直接的収益」とは「賃貸収入」や「転売収入」です。
「間接的収益」とは節税効果等のことですが、それは後ほど説明致します。
賃貸収入とはマンションやビル等を借りてくれた人から
毎月支払われる家賃のことで、
転売収入とはその物件を売った時に
取得金額より高く売れた分の差益のことです。
そのような稼ぎ方の違いから投資家自身も二つのタイプに分かれます。
●家主業タイプ(農耕民族型)… インカムゲイン(賃貸収入)
●転売業タイプ(狩猟民族型)… キャピタルゲイン(転売益)
賃貸収入のキャッシュフローを当てにするのか、
転売で一獲千金を狙うかはあなた次第です。
ご自身の収益構造や性格がどちらのタイプにマッチするか
予め想定できるなら今後の物件選定も楽になります。
どちらかに特化したり両方をミックスしたりと、いろいろなタイプの投資家がいますが、
実際には転売狙いの家主業タイプが多いですね。
とにかく自分に合わないタイプの収益物件を保有してしまうことは
大きなストレスとなり苦痛が失敗を生んでしまいます。
楽しみながら投資することも非常に重要なファクターなのです。
ご自分がどんなタイプかかよくわからない場合はご遠慮なく当社までお問い合わせください。
収益の種類 | 収穫時期 | リスク | 性格 | 対象 | |
---|---|---|---|---|---|
家主業タイプ | インカムゲイン | 毎月 | 低 | 農耕民族型 | 初心者 |
転売業タイプ | キャピタルゲイン | 売却時 | 高 | 狩猟民族型 | 上級者 |
資産家タイプ | 節税 | 納税時 | 無 | 領主型 | 富裕層 |
4. 稼ぎ方
では、どのようにして、収益物件で稼いでいくかを説明致します。
単刀直入に言うと、以下の流れの繰り返しです。
① 取得 → ② 賃貸経営 → ③ 転売
この繰り返しにより資産を増やしていくことがスタンダードな方法です。
まず何らかの方法で収益物件を取得し、
その物件が生んでくれる賃貸収入(インカムゲイン)を基に
維持管理や節税対策をして賃貸経営をしていきます。
そして不動産市況が上がってきたら転売して
利益確定(キャピタルゲイン)をします。
それによって生まれた転売益に対する課税も考慮して、
更に良い物件を取得(再投資)して、次のサイクルを始めます。
順調にこのサイクルを続けるには
様々なハードルを乗り越えていかなくてはなりませんので、
仲介業者や管理会社とチームを組んで進めていきます。
不動産投資はチームプレイです。
F1レースのようにドライバーだけでなく監督やピットクルー
そしてスポンサーが一体となって戦うことができれば、
あなたの資産は大きくなるでしょう。
良いチームを作れるかどうかはあなた次第です。
独り勝ちしようと考えている人には良い情報が入らなくなりますし、
自分のチームである仲介業者や管理会社を大切にできる人には好循環が起こっていきます。
素人には少々難易度が高い投資に見えますが、
このような作業をひたすら続けることで
100棟以上の物件を保有された方も
当社の顧客にいらっしゃいますので、
是非夢を持って収益物件投資を始めて下さい。
5. 収益物件の種類
それでは次に、どのような物件を選ぶかを考えましょう!
収益物件にはいくつかの種類があり、一般的に初心者向けとされる収益物件から
上級者やプロでないと管理できないような難しい収益物件まであります。
稀に保有第1号の収益物件が店舗ビルや
ソシアルビル(スナックビル)である投資家もいらっしゃいますが、
サラリーマンや本業が多忙な方は住居用の物件が無難だと
思われます。
初心者で資金に余裕のない方は
ワンルームマンションから手軽に始めるのが良いでしょう。
どれが正解というわけではありませんが、
購入当初からリスクとリターンのバランスが保たれている
物件でないと大変苦労しますのでご注意して下さい。
下図は基準となる物件とその他の物件との利回比較や
各物件のメインとなる価格帯などをまとめた一覧表です。
ちなみに、利回の算出式は「年間収入÷価格=利回」です。
ここでは満室想定の利回を表記していますので年間収入も満室時のものです。
用途 | 表面利回 | リスク | 価格帯 | |
---|---|---|---|---|
ワンルームマンション | 居住用 | マイナス3% | 低 | 500~1000万 |
一棟マンション | 居住用 | 基準値 | 基準値 | 5千~10億 |
区分店舗 | 事業用 | プラス3% | 高 | 5千~2億 |
店舗ビル | 事業用 | プラス2% | やや高 | 1億~10億 |
区分オフィス | 事業用 | プラス3% | 高 | 1億~3億 |
一棟オフィスビル | 事業用 | 基準値 | 基準値 | 2億~20億 |
ソシアルビル | 事業用 | プラス3~5% | 極高 | 1億~5億 |
ホテル | 事業用 | プラス5% | 極高 | 10億~50億 |
駐車場 | 事業用 | マイナス3~5% | 低 | 1億~3億 |
底地 | 事業用 | マイナス5% | 極低 | 1億~5億 |
6. 買い方
収益物件で不動産投資するなら、なんといっても買い方が全てです。
取得できなければ今までの話は絵に描いた餅です。
如何に買うことが難しいかを認識することからスタートしましょう。
決済手段
まずは決済金を現金にするのか銀行融資を利用するかの問題です。
結論から言えば、いくらキャッシュがあっても
融資による資金調達を勧めします。
何故なら、金融機関から融資を受けるとしても、
ほとんどの物件の評価額が売買価格に至らないので満額融資は難しいのです。
そのようなケースに備えてキャッシュは大事に使った方が良いのです。
実際には銀行融資が付きそうなら迷わず借りることですね。
そして、一言で銀行といっても、
金融機関には都銀、地銀、信用金庫、信用組合、ノンバンクといろんな種類があります。
また、物件の種類によって、それぞれの得手不得手があるので対象物件次第で
使い分けします。
但し、初心者向けに不動産融資をしていない
金融機関の方が多いので、
結局のところは金融機関を選ぶというより選んで頂く感じですね。
交渉のイニシアティブ
次に最も難しいポイントである「売主との交渉」です。
不動産を取得する際の大切な姿勢として
買主中心ではないということを覚えておいて下さい。
通常はお金を出して買って下さるお客様がイニシアティブを握りますが、
「不動産は中古品」なので売主の希望が優先されるのです。
中古品 → 世界に一つ →「買主より売主の方がエライ」
なぜそうなるかを説明しますと。
新品と中古品の大きな違いは、
売れたら売れるだけ生産できるか、できないかの違いです。
中古品は再生産できないので厳密には世界に一つしかないものになります。
土地は新たに生産できないので中古品です。
新規の埋立地であろうと国からの中古です。
売主である現所有者の気分を損ねてしまうと売ってもらえなくなります。
いくら欲しくても洋服や車のように他のお店で買えません。
しかも建物は必ず土地の上に存在し、
単独では成立しないので土地の影響を必ず受けてしまいます。
すなわち世界に一つのものとなり、
売主の希望が優先されるのです。
プロであってもこの考え方を知らない業者がたくさん存在するくらいです。
とても難しい概念ですが、これを理解していないと、
いつまで経っても買えない投資家になってしまいます。
価格の妥当性
例えば、10階建ての一棟マンションの取得を検討する際に、
1階店舗でご自身の商売をして最上階を自宅使用するとしましょう。
1階店舗と10階自宅は投資用ではない部分で、2~8階が投資用の対象部分ですから、
全体の8割相当分の収入しか入らなくても仕方ないです。
当たり前のことのようですが
それを理解できない人が意外と多いのです。
すると相場より利回りが低い物件だと勘違いしてしまい
取得できなくなります。
同じように、外観が自分の趣味に合っている物件や
自分の好きな地域にある物件、他人に自慢できるような物件も
投資目的以外の要素があるので、
その分利回りが低くなっても仕方ないし、
購入する意味もあるのです。
お金儲けと趣味を両立するのは至難の業ですが
投資家になる為には取得しないと始まらないのです。
7. 間接的収益
「収益の種類」の項で記述しました間接的収益とは
以下のように収入以外の効果のことで
具体的な金額から目に見えない貢献利益まで、
投資のサイクルを継続する為の潤滑油のような役割をします。
●節税効果:減価償却費や相続税の圧縮のような間接的な利益
●銀行対策:与信力や賃貸経営の経験値を高く見せれる効果
●宣伝効果:その物件を保有することで売り物件情報が収集できる効果
詳細は難しくなるので、ご遠慮なく当社までお問い合わせください。
物件が世界に一つのものということは
投資手法も千差万別になってしまいます。
ここで説明した基本をいろいろ組み合わせることで、
あなたに合ったストラテジーが生まれます。
それは決して初心者が机上論だけでできるものではありませんので
我々のようなプロのサポートを如何に利用できるかが
成功への鍵となります。
是非、当社とともに不動産投資の世界に
足を踏み入れて頂ければ幸いでございます。