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2022年の不動産市場予測

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年始恒例の不動産市場予測を致します。
まず一言で2022年の不動産市場はどのように動くのかと申しますと、調整局面を迎えることになるだろうということです。

予測の解説をする前に昨年までのレビューしたいと思います。
早いもので2019年末に発見された新型コロナウィルスが流行してから2年が過ぎ、現在はオミクロン株が猛威を振るって3年目に突入しました。リスクに敏感な株式市場は2020年3月の大暴落から2021年の高値更新までダイナミックな動きを見せましたが不動産市場は同じように動いておりません。もっとも日本国内ではインバウンド需要の消滅、外出規制による外食・観光産業への大打撃、中国バブル崩壊の予兆など外部環境にマイナス要因は多々ありますが、現時点では大きな混乱は起こっておりません。それどころか世間では「首都圏新築マンション価格がバブル超え過去最高更新」と騒いでいますが、それはコロナ前に仕込んだ土地価格が反映されただけであり「土地⇒新築マンション竣工」に至る2年程のタイムラグが単純に表面化しただけのことです。しかし前述したようにコロナ禍においても不動産価格は比較的安定しておりましたので、資材や人件費の高騰を考慮するとしばらくは新築マンション価格が下がることはないでしょう。
 関西の不動産市況につきましても、都心部の土地価格はホテル需要が無くなった分、ピーク時よりは下落しているものの依然として住宅向け用地は安定しており、郊外のロードサイド物件や物流関連物件は活況で、エリア種別としては飲食店街を中心とする繁華街以外の物件が動いているイメージです。収益物件に関しては、個人投資家向けに積極融資する金融機関が不在の為、市場の主役はサラリーマン大家⇒一般企業⇒プロと変遷しております。これまで何度となく述べてきましたように、今や日本の不動産であっても海外の金融情勢に大きく影響を受けてしまいます。ですから、いくらローカルな大阪の収益物件であっても、この20年で地元投資家⇒欧米ファンド⇒個人投資家⇒アジア投資家と国際的な投資家が牽引する時代になりましたので、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが対岸の火事ではなく、半導体不足、エネルギー価格高騰、ウクライナ情勢等々を考えるとリスクオフにポジション転換することも自然な流れです。しかしインフレを懸念するならキャッシュを不動産や金融商品に変えるべきでもありますし、一方でもし日経平均株価が暴落した場合は完全にフリーズ状態に入るか、又は連鎖的に金融不安が起こるかもしれません。

 話を2022年に戻しますと、米国株式市場の下落を皮切りに徐々に日本の金融市場が冷え込んでいき、本格的にコロナ融資の元本返済が始まる来年半ばには底を探りに行くであろうと思われます。不動産市場であっても追証が発生し、金融機関から資金調達している投資家や不動産のプロにとっては今後ますます厳しい状況が続いていくことでしょう。日本の平均賃金やデフレについて問題視する意見が出ていますが、既にまとまったキャッシュを持っている富裕層にとってインフレ懸念ではなく脅威であるので、逆に不動産にシフトしていくことも考えられます。このようにリスクオフリスクオンの条件が入り乱れて、まさに五黄の虎年に相応しい動きをするように思います。

 

 

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