2026年の不動産市場予測
2026年の不動産市場予測をします。昨年の予測に反し、秋ごろからの下落予想が外れ、現在も堅調に推移しております。 それにはいくつかの要因がありますが、まずは金融市場が崩れなかったことです。トランプ関税や利上げを乗り越えて株式市場が堅調に推移しており、今やメジャーな投資対象の一角を担っている不動産が、投資・実需にかかわらず好調であることです。
不動産投資を取り巻く環境の大きな変革は、投資家の若年化が進んだことで投資物件の小口化が盛んになっていることです。証券化されていない現物不動産は誰もが投資できるものではありませんが小口化されハードルが下がりました。
もう一つ特筆すべきことは、定期借家契約でない関西というローカルエリアのレジデンスにまで家賃値上げが浸透しつつあることです。これについては「家賃は年々下落する」とう既存概念が覆された驚くべき出来事です。
この二点は数年前では全く想定できなかった事象で、これまでこのコラムで発信してきた情報が、今後はいったいマーケットのどの部分にフォーカスし、誰向けに発信すべきかが難しくなってきました。
今の状態はアナログとデジタルの混在のような市場になっており、頑張って融資を取り付け、一棟収益マンションを保有してきた個人大家から、不動産投資をNISAや仮想通貨などと同様に捉えている若年層が取って代わろうとしています。
もしや彼等がマジョリティであるなら単純に表面利回推移の予測をするだけでは今後の投資判断に寄与できないかもしれません。とは言え、当社の立ち位置は不動産業者向けの卸業者視点ですので、小口投資家から見れば二、三階層上の価格水準で捉えておりますので卸価格が末端価格へ伝わるタイムラグも考慮していただければ多少は先取りできることでしょう。
予測の言い訳はこれくらいにして、小口化商品については細心の注意が必要です。財務局のコンプラをクリアしたブロックチェーン商品から、単純に細分化している怪しい業者の商品までいろんな商品と業者が市場でカオス状態で溢れています。それを組成している人達もSNSでセールスしている若年層で、本人たちも一体何を売っているのか自覚していないケースも多々あり、非常に危険な状況に見えます。ただ、マーケットそのものが比較的安定している為、余程踏み外した投資商品でない限り大きな事故にもなっていないのだと思います。
一方で実需と投資の違いが明確化しつつあるので、何を買えば良いかの判断もわかりやすくなってきました。いくら高所得層とはいえ都内3区は既に実需カテゴリではありませんし、例えば大阪市内中心部の物件でも投資用不動産ではないものも明白になってきています。
1戸最低1億円以上のマンションが売れる立地は非常に限られていますので、郊外の物件が連れ高するにしても限界があります。首都圏の郊外ではマンション用地の仕込み価格が弱含みして鈍化傾向にあり、既にこれから竣工する新築マンションについては値引き合戦の様相が見え隠れするようになってきました。建築コストの上昇に見合う程、所得が伸びず限界点に達している状態である証です。
以上の点を考慮しますと、これからも不動産価格が上昇し続けるとは考えにくいですが、大きく崩れる要因も見出し難いので今年の利回り水準は微妙に上がるか現状維持と予想します。
