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新型コロナウィルスが不動産市況に及ぼす影響 2020年5月29日

不動産市況

 緊急事態宣言が解除され日経平均も大幅に回復してきましたが、不動産市況は商業物件を中心に非常に厳しい局面に突入しました。解除後は日中の客足は戻ってきているものの夜間の客入りが回復するにはもう少し時間がかかりそうです。先行きの不透明感から退去の申出をする飲食店テナントも増えており家主側へのしわ寄せが大きくなってきていますが、国の対策はどうしてもテナント救済を優先に進められているので、先に家主がギブアップする可能性も考えられます。

 しかしリーマンショックのように直接的な金融破綻ではないので対策金がジャブジャブある限り思いのほか早くV字回復するかもしれませんし、今期の決算が見える第三四半期や6ヵ月前退去予告が原因で、年末頃から更なる厳しい環境が待ち受けているかもしれません。安部政権では株価対策に傾倒しすぎて実態の景気と乖離することもあり現状では「不景気の株高」状態となっていますが、しかし実はそれが明るい将来を織り込んでるのかもしれません。

 最近、非常に不謹慎ではありますが、コロナに便乗して数億円単位の資金調達ができたので物件購入したいという話が聞こえてきます。もし、本当に困っている人に資金が到達していないなら怪しからん話ですが、いっぽうで一律に近い対策金はコロナバブルを生む可能性もあります。たとえ不動産市況に絞り込んだとしても、今の時点で今後どうなるかを予測するのは非常に難しいですね。敢えて言うなら短期~中期的には不動産価格が下落するということくらいです。しかし本来、大きな波がある方が市場は活性化するので、過度な対策によりマイナス波を抑えることは日本経済をシュリンクさせることにもなり兼ねません。私は、ジャブジャブのお金でコロナバブルを呼ぶより、毒を出し切ることが早期回復への近道だと思います。